なぞる

なんか書いたやつ

「つかれたつかれたね〜」

つかれた。試験勉強、バイト、人間関係、もう色々、つかれた。

 

そんなときに「おつかれさま」と声をかけられても、あまり自分の心身を思いやってくれたようには感じないことがある。

 

「おつかれ」ということばは挨拶のようにも使われる。サークルやバイトで先に上がるときに使われたり、LINEで話を切り出すときに絵文字とともに使われたりする。道で偶然知人に会ったときには、出会ったばかりなのに「おつかれ〜」と声をかける。そのような使い方では、本来の、相手の心身の疲れを慮るような意味合いが、あまり伝わらないように思う。

 

そんなときにオススメなのは、「つかれたつかれたね〜」である。心を込めて使ってみよう。自分もつかれたし、あなたもつかれているよね〜という気待ちで使ってほしい。

 

汎用性は高い。

 

「ねむいねむいね〜」とか。「お腹すいたお腹すいたね〜」とか。

 

このことばは、対等な立場で疲れを共有することを目的にしている。相手を一方的に思いやるのではなく、自分の疲れと相手の疲れの両方を、一緒に大切にする。「おつかれさま」の主語は "you"だが、「つかれたつかれたね〜」では主語が "we"になる。

 

「ご苦労様」と目上の人に言うのがふさわしくないのは、そこに「評価」が入りこんでいるからだ、と聞いたことがある。「あなたの苦労を私は知ってますよ」という傲慢さが、どこか透けて見えるのかもしれない。しかし、よくよく考えてみると、「おつかれさま」にも似たような側面がある。

 

ということで、これからは、相手の心身の疲れを慮りたいときには、「つかれたつかれたね〜」と言ってみよう。これなら失礼もないし、本当に「つかれた〜」という気待ちを共有できる。

 

え?流石に上司に言うには失礼だって?敬意を表現したいなら、「つかれたつかれましたね〜」と言えば良いのだ。

 

2019/10/24 再編集・追記

 

この記事を書いたのは1年以上前だが、今でもこのパッと思いついたことばを使うことがある。最近では、「つかれたくんですか?」「おなかすいたくんですか?」「ねむいくんですか?」というようなことば遣いもするようになった。ぼくには、使い慣れて意味を特段意識しなくなったことばを、かわいいかたちでアップデートしたい志向があるのかもしれない。