なぞる

なんか書いたやつ

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

飲み会について

むかし、飲み会とは行為から意味が剥がれ落ちる場であり、そこに美しさがあると書いたことがある。ぼくはお酒が飲めなくて、それでもこの文化に肯定的な意味を見出したくて、書いた文章だったのだろうと思う。 酔っ払いの言葉に過剰な意味を読み取ることは、…

第三滑走路13号 感想

ボリュームがまずすごいですよね、全部で175首読める。だいたい歌集1冊で300首前後だと思うので、歌集半分を読んだくらいの(量的な)満足感をネットプリントで得られていると考えると、すごいことだなあと思う。 連作としても工夫されているのだけどわりと…

佐藤佐太郎「寒房」鑑賞(歌集『歩道』より)

図書館で佐藤佐太郎集を借りて、読んでいる。写実的な歌の精度が高く、写実的なことを短歌でやることの凄さを改めて感じている。 ぼくにとって、写実的な歌を読むという体験は、現実に存在する素材のゆたかさに気づくという体験というよりも、むしろ、現実に…

「永訣の朝」再読ノート

久しぶりに宮澤賢治の『春と修羅』を読み返している。ぼくがこの詩集を読んだのは、高校1年生のころだった。かっこいい響きのタイトルに魅かれて、図書館でなんとなく手にとった。 そのころの私は詩というものにまだ関心がなかったから、高校生のときに読ん…